実用車とは何か・・・?

実用車とは・・・・?

私の好きな自転車の部類に 実用車と言う車体があります。

明治時代に多くが輸入されていた自転車ですが その中でもアメリカで生産されていた自転車、イギリスで生産されていた自転車が多く普及していたそうです。細かくはアメリカ製の方が安く、イギリス製の方が高価な物で丁寧な作りだったようです。

そして明治の後半頃になるとイギリス製の自転車を日本国内でライセンス生産して販売できないか?と言う流れになりイギリス式のロードスターをお手本として 製作されたのが実用車の起源です。

その作りは まじめで丁寧。高級品だった自転車ですが、当時は自転車を持つと言うステータスもあり、ローンなどで皆さん買い揃えたようです。

以前自転車屋さんに聞いた話ですが・・・・

一ヶ月に4~6台の自転車が売れると一家5人が暮らせていける位の値打ちがあり、ダイナモライト(砲弾型のライト)を1カートン仕入れると、代理店やメーカーさんから温泉旅行を一家分プレゼントされたりと今とはまったく違う物の価値だった事を聞いた事があります。

そんな実用車ですが 特徴がいくつかあります。

ホイール、これはBE式と言うホイールで現行タイプのホイールではありません。タイヤをホイールに引っ掛けて使うような仕組みでして、今では少なくなってきている方式のホイールです(もちろんタイヤも専用です)

ブレーキ、ロッド式と言いまして現在多くの自転車に使われているワイヤー式のブレーキとは異なります。

鉄の連結棒を多様して フロント、リアのブレーキを作動させます。もちろんブレーキシュー、 ドラムブレーキ等専用品を用いて使用します。

ハンドル、オーソドックスな形をしておりますがロッド式ブレーキを作動させるための鉄の棒が連結されていてジョイント部分等 専用の作りです。

サドル、 革サドルが一般的でBROOKSのB73型サドルを元に色々なメーカーから出ていました。自転車メーカー純正は刻印等もあり、今ではマニアの間で高値で取引されています。(昭和50年代になるとビニール製などもあります)

チェーンケース、スタンド、 チェーンケースは全ケースといいまして実用車は完全にチェーンを隠してしまう構造です。昭和30年代はセルロイド製の透明ケースもあったようですが あまり普及しなかった所を見ると、割れたり補修が大変だったりと 工芸品のようになりすぎたからでしょうか?

スタンドは箱スタンドといいまして 現在ママチャリ等で使用されている物の原型です。
純正品ですとスタンドにも刻印等がありマニア心をくすぐります。
荷台、コチラにも刻印等がありまして目を引くポイントです。実用車の荷台は頑丈でしっかりとしていますが レストア用に入手する自転車は大体荷台が酷使されていて形を戻すのに時間がかかります。

ドロヨケ、丸いアーチを持つものが多く中にはLの字型にとがっている物もあります。 フロント部分には風切りと言うエンブレムのパーツがあり 自転車メーカーの意思の表れのよな気がします(笑) 風切りをコレクションしている方がいるようにメーカーでそれぞれの形がありまして面白いです。リアにはリフレクターが装着されていましてここもガラス仕様だったり刻印があったり目を引きます。

と色々と実用車の特徴を挙げてみましたが いかがでしたか?

(ちょっと長かったですね(;^ω^) お疲れ様でした。)

このような自転車をベースにレストアや販売を手がけているのが当方 サロンF2です。

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サロンF2 2014年 04月20日 店主

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